スプリングスクール                                              

  スプリングスクール in南紀2003 レポート 
     
〜自然の中で自立する子どもたち


  3月31日から4月3日まで、関西からの子ども20名、東京からの子ども1名とともに、春真っ盛りの南紀を訪れ
  ました。真っ青な海と南国風の木に「ハワイみたい!」との声が。マザーネットのスタッフは、水谷心さんと上田
  の2名、現地では2月に設立したNPO法人熊野総合塾の方々にお世話になりました。毎回たくましくなる子ども
  たちですが、今回はどんな展開が!?早速レポートします。



■ 1日目
 ハーブ園づくりにチャレンジ
7時半、北大阪急行桃山台駅組13名が集合。
心配そうなお母さん、お父さんたちに別れを告げ、電車に乗り込むとそこは満員電車。乗ること16分、ペチャンコになって梅田駅に到着。
大阪駅のバスターミナルで7名と合流。リピーターの子どもが11名いるので、再会を喜び合う。

8時半、見送りのお母さんたちに手を振り大阪を出発。
白浜までは3時間半の道のりだ。毎回びっくりするのは、初めて参加の子どももバスの中ですぐに打ち解けること。
名前を確認し、呼び名を決めていく。御坊で高速を降りると海が見えてきました。
「魚釣りしてる人いるで!」と、釣りが楽しみだ。

12時に三段壁到着。NPO熊野総合塾のメンバーが迎えてくれました。一方、東京からはかれんちゃん(小5)とスタッフのしんさんが飛行機で到着。
全員集まり、宿泊先の「海の家かなや」へ出発。開発された場所ではなく、昔の白浜らしい風情が残り、堤防を越えるとプライベートビーチが広がるところにある。
部屋のテラスに座ると、海からの風はさわやか。お弁当を食べてほっと一息。




午後はハーブ園に出発。ラベンダーなどのハーブを一つずつ植えていきます。
簡単なようでなかなか難しいらしく、苦戦している子も。植えた後は、お水を上げて完成!

終わった子どもから、土手でサッカーをしたり、畑に落とし穴を掘ったり。「私が小学校のときは、運動場に大きな落とし穴を掘って、ビニールかぶせて上から土かぶせて・・・誰か落ちてないかワクワクしてたんよ」と話すと、「うえださんって悪ガキやなぁ」と不思議そうに見つめながら、夢中で掘り続けていました。NPOのメンバーは「あんなことがおもしろいんやな」とびっくりしていました。



かずほくん(中1)より植え方を教わるこうちゃん(小2)。
お兄ちゃんたちは、小さい子どもたちの面倒をよく見てくれます。



どろんこになった後は、白浜の町営温泉牟婁の湯へ。
日本三大古湯(白浜、有馬、道後)に数えられるだけあり、とても良いお湯です(温泉通の上田も納得)。ホカホカした後は、商店街にあるお店で丼ぶりをいただく。

海の家にもどり、夜は明日の釣りに備え、竹から釣竿を作る作業を見せてもらう。針に釣り糸をつける方法を教わり、何名かが試してみるが、懐中電灯で手元を照らしながらの作業に緊張感が走る。NPO熊野総合塾の坂本理事長から、釣り場での注意もしっかりお聞きしました。

                 

                      
 釣竿作りの説明を、緊張した表情で聞く

終了後は枕投げ大会が始まる。1階の男の子たちは2階の女の子めがけて投げるので、ランプなどが割れそうでドキドキ。頭を直撃し、泣き出す子どもも。
「明日は釣りだから早く寝よう!」と声をかけても、興奮さめやらず、なかなか静かになりません。そういえばまだ21時半。いつもは23時まで起きているのに、という声も。22時すぎにようやく静かになりました。



■ 2日目
  料理上手な男の子たち
なんと5時半に子どもたちが起きはじめてびっくり。釣りが楽しみでしょうがない。
朝食は昨日の夕方スーパーで材料を購入。作り始めたのは男の子たち。卵をゆでたり、ウインナーを焼いたり、リンゴをむいたり、手分けして準備を始めた。女の子に「一緒にやったら?」と声をかけると、「どうやったらいいかわからへんもん」との答えが。じっと座って待っている。しょうがないので、明日は女の子たちに担当してもらうことで、男の子たちには納得してもらう。それにしても、男の子たちの手さばきは見事。共働きの場合、どうしても母親に家事・育児の負担が大きく、せめて息子には「家事がしっかりできる男になってほしい」という思いから、日頃からいろいろやらせているのかもしれない。


                

                   
2日目の朝食作りは自主的に男の子たちが担当

朝食後は、浜へ出てみた。石をめくるとカニやヤドカリが・・・。
時間が経つにつれ、少しずつ潮が引いてきて、向こう岸の島まで渡れそうになってきた。「渡っている間に潮が満ちてきて帰れなくなったらどうしよう」と不安がる子も。昨晩、しかけたカニ網を引き上げると、なんと大きなあなごが1匹。これには感激。その後、雨が降り出したので釣り場所をいろいろ探し、漁港で釣りを開始。昨晩作った釣竿を投げ入れると、魚が釣れ始めました。ガシラ、グレ、そして大きめのフグも。1時間弱の時間で、合計20匹ぐらいの魚が釣れました。


昼食の時間が近づいていたので、まだやりたいという子どもたちに納得してもらい、海の家へ戻りました。昼食は庭でバーベキュー。釣り名人が釣ってきてくれたイサギの丸焼きとさしみ、網にかかっていたあなごの素焼きなど海のものがいっぱい。特にあなごがおいしそう。釣り名人が釣ってきたイサギは、子どもたちの前で「しめる(=殺す)」という作業を実演。小さな魚をしめようとすると、「えー、まだ子どもやのに!」と笠松くん(小2)。これには名人も力がぬけてしまいました。「残酷なようやけど、人間が生きていくには、何かを殺していかなければならないんだ」と。子どもの心に何かが響いたように感じました。

               

                 
かに網にかかったあなごを持つあかねちゃん(小5)

夕方は早めに白浜温泉へ。今度は露天風呂のある広い温泉でした。バーベキューでお腹がいっぱいなので、「夕食どうしよう・・・」と聞くと、「簡単なものを作ろか」との声があがったので、みんなでスーパーへ買い物へ。相談の結果、きつねうどんとお好み焼きに決定!私が何か追加で買おうとすると「もったいない!」とかごから出していきます。「フルーツ牛乳は50%OFFやからこれにしよ」「うどんは10人分買って、あげは半分づつしたらいいやん」と大阪の子どもたちは金銭感覚がするどい。

海の家にもどり、夕食を作りはじめましたが、サマースクールで大活躍し、料理長に任命された中1のかずほくんを中心に準備を進めていきます。
私は皿の前で「まだかなー。作らないと晩ごはんないぞー」と言って待ってるだけ。そう言うと真剣な表情になり、必死で取り組んでいました。でき上がったお好み焼きは最高においしかった。後片付けもこちらが声かけしなくても自分の皿は自分で洗い、すごく助かりました。

この日だけ仕事に出かけた心さんの分もきちっと作り、「帰ったらレンジでチンしてあげてな」と念を押されました。しっかりしています。
今夜も枕投げをして眠りにつきました。




                               
 お好み焼きの裏返しに成功し、大満足のなるちゃん(小5)

■ 3日目
  春いっぱいの熊野古道ウォーキング
             
                  
2階から見た朝の男の子たち。ぐちゃぐちゃに寝て楽しそう

6時半起床。
曇っているけど雨も上がった様子。今朝の朝食当番は女の子。
トマトときゅうりのサラダ、イチゴ、ウインナー、いり卵・・・と盛り付けも美しい。同じ材料でも、アレンジが少し違うことに感心。それにしても大人がまったくアドバイスしないと、子どもたちはすごく創意工夫をし、成長するように感じる。

10時半に熊野本宮大社着。語り部の鈴木さん
に説明をしてもらいながら、歩き出す。途中、しいたけを栽培している様子を見たり、大きな椿の花を発見したり、ゆったりと森林浴をしながら、歩いていきます。ちょうど桜の花が咲き乱れ、山里のやわらかい色合いの景色が最高に美しい。


                          途中お弁当を食べ、15時までたっぷり歩きました。今日のお宿は熊野本宮大社の瑞鳳殿。ホテルに泊まりなれた子どもたちはちょっと怖そう。「なんでここを選んだの?」と質問されるほど。「ここか廃校か、どっちかにしようと思ったんやけど・・・」と答えると、「ここでいいわ」とのこと。これもよい体験です。

















杉木立の熊野古道を歩く。空気がおいしい

             

                        花が咲き乱れる美しい季節の中で

夕方は近くの温泉へ。まずは日本最古の湯と言われる湯の峰温泉へ。網に卵を入れて90度の温泉の中に10分つけると、温泉卵とゆで卵の中間くらいのでき上がりで想像以上においしい!その後、わたらせ温泉にある西日本一の大露天風呂へ。6つの露天風呂があり、それぞれ温度が違います。女の子の中には温泉好きの子も多く、すごく満足そう(私も疲れが取れます)。19時には本宮大社にもどり、肝だめしに出発。懐中電灯を持ち、本宮大社の階段を登ります。本気でこわがる子も多く、私の腕にしがみついてきます。もうちょっと行こうと思っていたのに、全員宿にさっさと帰ってしまい、ちょっと拍子抜け。相当こわかったようです。

夜は毎回恒例の締めの会。スクールを振りかえって感想を発表してもらいます。じゃんけんで先攻は女の子。しっかりと自分の意見を述べていきます。次は男の子ですが、なかなか発表の順番を決められないばかりか、くねくねしながら発表します。はずかしがり屋さんが多いのでしょうか。がんばれ男の子!しかし新1年生のはじめくんが、ぱりっと締めてくれました。


             

最年少のはじめくん(新1年生)は、堂々と感想を発表


■ 4日目 
 すばらしい友とのであいに感謝して
7時をすぎて寝ていると、女の子たちに「朝やでー」と起されました。
朝食はパンとウインナーとジュースを取り、本宮大社を参拝。気持ちが引き締まります。


             

                  熊野本宮大社に参拝。それぞれ何を祈願したのかは秘密

出発の10時まで自由行動。
スクールへはお金を1,000円まで持ってきてよいことになっており、低学年の子どもたちは、初めて自分でお金を使うことを体験する子も多いのです。
前回初めて自分でお金を払い、お母さんへのお土産を買ったほのちゃん(小2)でしたが、今回は「一人で行って来る!」とすっかりたくましくなっていてびっくり。今回はこうちゃん(小2)が初めてのチャレンジ。お母さんは栗が好きとのことなので、栗饅頭を買うことに。レジでドキドキしながらお金を渡していました。無事買うことができた時の自信に満ちた表情がとても素敵です。10時に本宮大社を出発し、皆地いきものふれあいセンターへ。




ふけ田といわれる独特の湿地には、水辺の生き物たちがたくさん住んでいます。木の棒にたこ糸をつけて、先にスルメをつけてザリガニを釣りました。ちょっと水温が低いので釣れるか心配しましたが、注意深く探すとたくさんいます。得意な子はどんどん釣り上げ、最後は手づかみもしていました。30匹は釣れたでしょうか。フナやおたまじゃくし、メダカを見つけては、うれしそうでした。













ふけ田でのザリガニ釣り。
ザリガニとのかけひきは楽しく
最後は手づかみでゲットする子も


お弁当を食べた後は、男の子は引き続きザリガニ釣り、女の子は桜の下でスケッチを。のんびりと好きなことをして過ごしました。なごりおしいですが14時に田辺へ向けて出発。最後に田辺の浜を走り回り、東京組のかれんちゃん、心さんが見送る中、17時前に大阪行きのバスに乗り込みました。20時前に大阪駅に到着。「夏にまた会おう!」と子どもたち同士で固い約束が交わされているようでした。怪我もなく無事子どもたちを連れて帰ることができ、ほっとしています。


  
  
3回目の自然体験スクール、今回は大人が用意したプログラムだけではなく、子どもたちで自炊を決め、
  買い物をしてメニューを決めて料理する、という作業を通じて、成長していく姿をうれしく思いました。
  私たちスタッフとしても、先生として指導に当たるのではなく、あくまでもナビゲーターとして、子どもたちが
  困った時に手助けするというスタンスを貫いており、良い関係を築けているのではと感じています。
  リピーターの子どもたちは、参加する度に心も体も成長し、学年に関係なく、リーダーとして育ってきている
  のもうれしく思います。
  締めの会での私と心さんのコメントを期待しているようで、一つ一つの言葉が子どもたちの心の中にしみ
  込んでいくのがわかり、私自身がしっかり生きなくては、と責任の重さも感じています。(上田)


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